Xのブロック機能や、ユーザーデータの扱い(主にAI関連)の変更に伴い「SNSの選び方」について悩んだり迷ったりしている人も多いかと思います。
各SNSの特色については既に色々な記事があると思いますので、今回は「SNSを選択するための助けになる話」をいくつかしたいと思います。
📰参考記事 ※最新情報でない可能性があります
1.無理に移住しなくていい
まず、これは言っておかなくてはいけませんが、SNSというのは必ず一箇所に決める必要はありません。
実際、私のように『Xでの発信はやめて別のSNSをメインで使っているけど、情報収集としてXは利用している』というユーザーは少なくありません。
他のSNSを考える時に必要なのは『メリットとデメリットを比較すること』と『試してみて、知る』ということ。これが、自分自身の決定の大きな助けとなると思います。
2.不安はそのうち忘れるもの
今回のユーザー大移動は、仕様・規約の変更に「不安」をおぼえた人が主です。
しかし、どうでしょう。発表当初は不安でざわざわしていた周囲も、一週間経てば既に「割と元通り」になっているのではないでしょうか?
Xで特に顕著な傾向として『コンテンツや情報を消費するスパンが短い(短期的消費)』というのがあります。
現在のXは、刹那的に、断片的に、表面的な情報を好む人が過ごしやすいSNSになっており、重要・衝撃的な出来事があっても「すぐに忘れて次の情報へ」となります。
そのため、ほんの数日前の不安もすぐに忘れて(慣れて)、別の目新しい情報へ関心が移ります。
こうした刹那的な情報消費に安心感をおぼえる人は、無理に移動する必要はありません。逆に、リスクや不安を強く感じる人は、視野を広げてみるとよいのではないかと思います。
3.自分の基準を知る
この項目では「人がSNSを選ぶときの基準」の例を、いくつか挙げています。
現在日本で主流になりつつあるSNSについても簡単に触れていますが、各SNSの詳細は他のかたが書いたの解説などを見てみてください。今は色々あるので…。
見たい人がいるか
フォローしたい人や推しの存在は、多くのネット利用者にとって重要です。
Xから離れたくない理由に「みんながバラバラになるのが嫌」というのがありますが、現在のXは例えるなら「鎖国中のイーロン王国」のようなもの。
他SNSでは、異なるSNS間の行き来(フォロー等)が可能なものも多くあります。
企業・公式アカウントが多いか
現状、企業・公式アカウント数ではXが優位です。
ただし、他SNSでもRSSなどでニュースやメディアの情報を得られます。
Xのアクティブユーザーは減少傾向にあり、X依存の公式アカウントは今後衰退する可能性があります。
スパムや集客アカウントが少ないか
完全にスパムや集客目的アカウントのないSNSはありませんが『ネットリテラシーの低いSNS』…つまり、カモの多い所に多く現れる傾向があります。
個人的には、海外よりも日本運営のSNSの方が『人数の増加より質の維持重視』の傾向があり、この点で優れていると考えています。
使い方が簡単か
Blueskyは旧TwitterのUIに似ており、人気の一因でもあります。
Xになってからも機能は至ってシンプル。同様にシンプルなSNSとして、タイッツーも一時話題になりました。
Xのシンプルさに慣れている人にとって、カスタマイズ性の高いSNSなどは、難しく感じるかもしれません。
また、かんたんSNSはリテラシーが低い傾向があるため、治安維持に強い自治意識を要し、同調圧力が強まることも。
これに安心感を覚える人にはおすすめですが、居心地の悪さを感じるタイプの人には不向きかもしれません。
見たいものがあるかどうか
情報量ではXが優位ですが、サードパーティアプリの廃止で見たいものを確実に見ることが難しくなっています。
他のSNSではサードパーティアプリが充実していたり、Misskeyのように特定ワードの投稿を自動収集する機能があったりします。
確実に見たいものを見る点では、X以外も選択肢になり得ます。
運営が信用できるか
今回の大量移動はまさに、運営への信用の揺らぎが原因です。以前から問題があったにもかかわらず動かなかった人が「ついに自分が困るかも」と感じて動いた…ということになります。
これは、短期利益追求型の海外サービスではよくある問題です。なので、運営の信用性を重視するなら、Misskeyやタイッツーなどの国産SNS、または日本人管理のMastodonサーバーがおすすめです。
AIに情報を吸われないか
まず前提として、インターネット上の情報発信には常にリスクがあります。AIにデータを利用されるのも、その一つ。
完全な防止は難しいですが、MisskeyなどではユーザーデータのAI利用を拒否する設定があります。
また、Xは外部サービス(URL)への誘導に消極的です。過去には、特定のサイトURLを貼った投稿の表示優先度を下げるなどの操作もしています。外部への投稿で代用する際は、これも頭の片隅に入れておきましょう。
広告の質は悪くないか
これについては詳しい情報は持ち合わせていませんので、詳細は割愛します。
MastodonやMisskeyのサーバーように、ユーザーの寄付で成り立っていたり(サーバーによってはユーザー自身が広告を出せるところもあります)は、X外では比較的広告問題で悩むことは少ないと思われます。
色んな人がいてマッチングできるか
エコーチェンバーを避けたい人は、XやThreadsのようなアルゴリズム主導のSNSは不向きです。時系列順TLを重視するなら他の選択肢を考えましょう。(Threadsは今後時系列TLが実装されるかもしれません)
サードパーティ製アプリが使えるか
BlueskyはUIが簡単で直接利用しやすいですが、サードパーティアプリは現状少ない印象。(恐らく今後増える…?)
MastodonやMisskeyは、X関連アプリの開発者が参入している事もあり、選択肢がかなり増えています。
ネットリテラシーが高いか
単刀直入に言うと、ネットリテラシーが高い人の使うSNSは利用方法が難しいです。一定の治安・平和が守られているのも、そのためです。
BlueskyはXからの移民が増えたため、全体のリテラシーは低下傾向にあります。これについては、MastodonやMisskeyが一歩リードしている印象です。
モデレーションがしっかりしてるか
モデレーションというのは、ざっくり言うと治安維持管理みたいなものです。
ユーザー数が増えるほど自動化し精度が落ちる傾向があり、Xが誤凍結等をするのはこのため。海外のサービスは『労力の少なさ>精度』になりがちかもしれません。
人力モデレーションをしているところは、やはり精度は高いです。サーバーの集合体であるMastodonやMisskeyは、人力である場合が多い印象。
ユーザーの自治意識が高いか
これはSNSの雰囲気に大きく関わるところで、例えば低リテラシー層の多いSNSでも自治意識が高ければ平和になります…が、そのかわりに同調圧力が強まる恐れがあります。
一番自由が確保できる環境としては、ユーザーのリテラシーがそれなりに高く自治意識の高い環境だと思います。
リテラシーが高いか
これについては、これまでにも話した通り『利用が難しくネットに不慣れな人を振り落とし』『ある程度の自治意識があって理性的に行動できる』SNSが該当します。
MastodonやMisskeyのような分散型SNSは、最初のサーバー選択の必要性自体が一定のフィルターになっている印象です。
交流はしやすいか
個人的なオススメにはなりますが、これはMisskeyがオススメです。Misskeyの多くのサーバーには『リアクション絵文字』というのがあります。言うなれば『リプライするほどではないけど、いいねでは足りない』を補うシステムです。
それ以外のSNSについては基本機能に大きな差は無いかと思われます。(タイッツーも独自の愉快なシステムがあるはずですが把握していません)
プライバシーが守れるか
話題になった「ブロック」に焦点を当てると、実は今回移民が大量流入したBlueskyには完全なブロック機能は備わってません。そもそもBlueskyのスタンスは、オープンなプラットフォーム。要らんところまでオープンだったりして、現状アカウントの非公開化もできません。
ブロックやミュートが機能しているSNSという意味では、XとBlueskyは本来、真っ先に除外される対象だと思います。
グローバルかどうか
これについては、日本製サービス(Misskeyやタイッツーやくるっぷ等)が最も弱いところです。
これについては海外サービスに及びませんが、MastodonやMisskeyは外部と広く繋がれるため(Blueskyとも接続は可能)、視野をサーバー外へ向ければ可能な範囲ではあります。
逆に日本のサービスは、日本の法律に準拠しているという利点があります。
カスタマイズ性があるか
現状これはMastodonとMisskeyが強いですが、逆に言うとそれだけ使いこなすのは難しいです。
Xのような簡単な使用は可能ですが、機能を十分に活かせず不便に感じる可能性があります。
情報は見つけやすいか
「情報量が多い=見つけやすい」とは限りません。ユーザー好きそうなものを自動で集めるアルゴリズムを備えるSNSはいくつかあるものの、精度はまちまちな印象です。
サードパーティ製アプリ、アンテナ(Misskey)、フィード(Bluesky)など、自身に合う方法と照らし合わせてみるといいと思います。
4.個人的オススメ
SNS別に、どういう人が向いていそうかというのを、独断と偏見で書きました。選ぶ際の参考まで。
X(旧Twitter)
・そもそも離れたくなく、フォロワーと離れるのも嫌
・好きなものを見るために使うのでどう変わろうと無関係
・フォロワー数を維持したい
Instagram/Threads
・Xの使用用途がほとんどインスタと変わらない
・他のSNS(サーバー)とも繋がりたい(Threadsのみ)
タイッツー
・考えるのが嫌で感覚的に楽しくやりたい
・海外サービスみたいにコロコロ運用変わるような所はウンザリ
・Xの雰囲気に疲れてて、ほのぼのと交流出来たら嬉しい
・ユニークな機能に興味がある
Bluesky
・旧Twitterの面影をいつまでも追っている
・他のSNS(サーバー)とも繋がりたい
・機能が多すぎると覚えられない
・オープンなSNSの方が居心地がいい
Mastodon/Misskey(Fediverse)
・他のSNS(サーバー)とも繋がりたい
・Xの雰囲気に疲れてて、使うの多少難しくてもリテラシー高い所の方がいい
・日本人が管理している所がいい(サーバーによる)
・SNSはカスタマイズして便利に使いたい
5.おわりに
SNSの選択に悩む方々へ。
完璧なSNSは存在しません。それぞれに長所と短所があり、それを理解した上で自分に合うものを選んでいくことが大切です。
SNSは日々進化し、新しい選択肢も増えていきます。自分が心地よいと思える使い方を見つけ、必要に応じて使うSNSを変えたり、複数のサービスを併用することも、検討してみてください。
今回お伝えした内容はあくまでも参考程度にとどめて頂き「そのSNSで何がしたいのか」「何を求めているのか」というあなた自身の意思を、考える際の一助となりましたら幸いです。